点から線へ。

18歳の春、熊本と宮崎の県境にある椎矢峠を越えた。九州で最も高い峠を越えた満足感とともに椎葉村(宮崎県)に辿り着き、この山深い村で一夜を過ごした。
場所は変わって、栃木県の大田原市。温泉や豊かな自然が残るこの地に、縁あって何度も訪れることになった。「与一の里」というキャッチフレーズの町である。
与一とは源の頼朝に仕えていた平安時代末期の11人の武将を指す。その中の一人、那須大八郎は源平合戦で敗れた平家を追討するために椎葉村 にやってくる。しかし、つつましい生活をする彼らに哀れみを感じ、追討を断念する。そして、平家の末裔(まつえい)である鶴富姫(つるとみひめ)と実らぬ恋に落ちていく。この悲話を再現したのが、「椎葉平家まつり」である。
私が大田原に行ったのは、椎葉村 を訪れてから20年も経ってからのことであった。時間も、この2つの地も離れているが、大八郎と鶴富姫との話を通じ、2つの地が点から線へ結びついたような気がした。
旅に出てみませんか、FOCUS ATLS シリーズで。各地に残る歴史に触れてみるのも、興味深いかもしれません。